所長からひとこと
所長からひとこと……『よかったら、来ませんか?』
2009年の終わり頃、関西で最も有名な芸術大学の1つに通っている本校出身の4回生から、大学の厳しい現実を聞きました。
その生徒は、ビジュアルデザインの優秀な生徒なのですが、最も就職率が高いはずのこの学科で、今年は3割ほどの学生は就職が出来なさそうだ、と言うのです。関西で最も優秀と言われる大学でこの現実だという事は、他の大学ではどのような事になっているのか、想像に難くありません。
近ごろ美術大学は、倍率が下がったり、入試方法が増えたりで、合格しやすくなりました。はっきり言って、合格しやすくなった事は、決して良い事ではありません。そんな入試で合格してしまうのは、上の例ひとつとってみても「危険」なことだというのがよく分かります。
今は、ほとんどの私立の芸術・美術大学で、8月頃に易しい入試を行って(大学によってはほとんど面接だけで)「3割」程度の人数の学生を合格させています。そして大学は、その生徒たちと、実技試験をクリアして入ってきた生徒たちを明らかに区別して指導をしているようです。同列での指導が困難なくらい生徒のレベルが違っているのですからしょうがないのでしょう。つまり、基礎的な力を身につけないで合格だけさせてもらって、大学で4年間過ごしても、何の意味も無いという事です。
当研究所には、絶対に実力を持った大学生を育てるための、独自のポリシーがあります。
ひとつは、一見良い方法のように思えるのですが、回数だけを決めて、いつでも自由に来て良い、というようなコース設定はしません。もうひとつは、たとえ昼間に教室が使われていなくても、昼の時間帯に社会人や子供を対象にした教室は持ちません。(美大受験コースが休講の日だけ、社会人対象の油絵教室を開講しています)
自由な日に来れるシステムや、昼間に別の授業で教室が使われていたりすると、例えば木~土曜3日間をかけて大きな絵を描く、といった課題ができないのです。無理をしてやろうとしても、毎回モチーフを片づけて、次回にはまた描きかけの絵に似せて置き直すことになります。どんな小さな間違いも見逃さず正確に描ききろうとすることから、デッサン力はついていくのですから、モチーフが動いてしまっては絶対ダメなのです。
しっかりとした基礎勉強が必要な時期は、週3日コースは3日間かけて大きな作品を描く。週2日コースでも、1日1枚訓練のように卓上デッサンを描いていくのではなく、2日間かけてじっくり描ききる勉強をする。これが大事なんだと思います。入試対策ではなく、ほんとうに実力をつけることを目的にした指導をしたい。これが当研究所のポリシーなのです。
当たり前のことですが、まじめにきちんとした基礎勉強をしていれば大学は落ちません。
西宮美術研究所は、こんな『クソまじめ』な研究所です。
よかったら、来ませんか? きっと後になって、西宮美術研究所で勉強していて良かったと思いますよ! 他の研究所を選ばなくて良かったと、実感しますよ!
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